2010年12月7日火曜日

心ふるえるアイヌの響き

第3回アムネスティ・フィルム・フェスティバルの開催まで2か月を切りました。
ここで、イベントのご案内をいたします。

来年1月30日、アムネスティの映画祭のラストを飾るのは、首都圏に暮らすアイヌ民族を描いた『TOKYOアイヌ』です。
そして同時に、アイヌの人たちが直接、彼らの音を届けてくれることになりました!
ライブで接する声と演奏は、記録された映像とはまた違った味わいがあります。


◆こころを揺らすアイヌ語の響き、ウポポ(歌)とカムイユカを聴く◆

出演

弓野恵子さん(東京アイヌ協会副会長)

  ムックリの演奏とカムイユカ(アイヌの神謡)の一節より


 ムックリ: アイヌの民族楽器で、竹でつくった口琴。
 カムイユカ: 神々に起った出来事を語り伝えた物語りうた。


島田あけみさん(アイヌウタリ連絡会事務局)

  「アイヌ ネノアン アイヌ」(人間らしい人間)

  (作詞・作曲 鷲谷サト / 補筆 萱野茂 )

   
 多くの日本人は初めて、この映画『TOKYOアイヌ』の中で、首都圏で日々を暮らしながら、この列島の先住民族として復権を求める、同時代の隣人たち=アイヌに出会うことでしょう。

アイヌとは人間という意味。
楽しそうにアイヌの料理を作り、刺繍をし、歌を歌い、踊るアイヌたち。
一方で、無理やり連行され、あるいは差別を逃れるために、あるいは就学就職のために上京し、マジョリティーの無関心の中で、首都圏で亡くなっていった先祖や仲間たちを厳かに供養し、カムイと交信する人たち……。

今回出演してくださるのは、映画にも登場する弓野恵子さんと島田あけみさんのお二人。

島田さんが歌う「アイヌ ネノアン アイヌ(人間らしい人間)」は、首都圏のアイヌ復権運動の草分けの一人、故・鷲谷サトさん(1926年~2001年)が作詞・作曲した歌です。

困難を乗り越え、すべての人とともに歩きたいという願いが、首都圏アイヌのウポポ(歌)として、新しく伝承され始めたものです。

映像と併せ、お二人のアイヌ語の響きに、ぜひ耳を傾けてみてください。