2010年12月14日火曜日

『BOY A』 犯罪者は変われるか

前回はイベントの紹介をしました。今日は、2日目の最初に上映する『BOY A』についてです。



いつだったか、更生施設建設反対運動のニュースの流れで、矯正施設のボランティアをする女性たちのリポートを、テレビで見たことがあります。


「最初は別世界の人間のようで怖かった。でも、自分の子どもと同じくらいの少年たちと接するうちに、彼らなりの理由があって罪を犯したのであり、元から悪い子ではなかったはずだと思うようになった」。そんなようなことを彼女たちは言っていました。
見知らぬ他人だった犯罪者が、言葉を交わし、視線を合わせ、心を通わす「○○くん」になった。相手を知り、時間がたつにしたがって、彼らを受け入れる準備が出来ていったのでしょう。


私たちが犯罪者を知るとき、ほとんどが「残虐な」「むごたらしい」という形容とともにあります。少なくともマスメディアに、同情的な報道は皆無です。犯罪者が社会に戻ってくるときも、その印象のまま戻ってくると私たちは考えがちです。本当にそれは正しいのでしょうか。

罪を犯した人が社会に戻ってくるまでには長い時間があります。その年月のあいだにさまざまな人との関わりがあり、環境が変われば人間も変わります。そして、生き直し。新しい人生を見守ってくれるソーシャルワーカーの存在もあります。


さて、もし自身の親しい友人が、そのむかし罪を犯し、「悪魔の少年」として世間を震撼させたと知ったらどうですか。いつも隣にいる友が、以前は別の人間だったら。

 
(WE)